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ナチュラル絶対主義は美貌をくすませる




★女性の中には、ナチュラルな美人を目指している人も多いことでしょうが、ナチュラル絶対主義になってしまうと、たとえ美形であってもブスになってしまうことがあります。


銀座のお姉さんみたいに作りこんだ美しさは、それはそれで艶やかですが、どこか嘘くさいところがあります。魚でも養殖物より天然物がずっと高価な日本。人工物より自然のものが礼賛されるメンタリティーとも関係があるのかもしれませんが、女性美についても、自然体が一番という感覚が根強いようです。

人間関係でも、同性同士では特に、華美なファッションをしている子は遠巻きにされます。逆に飾らないナチュラルスタイルの子は、自然体という雰囲気が支持されて人気があるものです。そのため、しっかりメークより薄づきメーク。ヘアスタイルも、CMに出てくるようなさらさらロングに憧れる人は相変わらず多いです。

★「ナチュラルなものこそ善」と考え、なるべく自然なかたちで美しさを作っていこうとする人は、ある意味おしゃれな女性だということになります。





自然体はバランスを欠くとブスになる危険性がある


★この自然体の魅力というのは、一歩バランスを欠くとブスまっしぐらの危険をはらんでいます。

たとえば、時折、こんな年配の女性を見かけたことはないでしょうか。ばさばさの洗い髪を帽子でカバーし、白髪交じりのごわっとした髪を三つ編みにしていたり、手入れもあまりしていないような血色の悪い浅黒い肌を堂々とさらして、すっぴんで歩いています。

着ているのは天然素材のゆったりした服などは、見るからに個性的で、自然体の究極系だと思いますが、「ああはなりたくないな」と拒否反応を起こしてしまう女性も多いことでしょう。


「無条件で一本槍な信奉」がブスへの落とし穴


ナチュラルな美しさは、本来手放しで肯定されるもののはずですが、くすませてしまう人もいます。なぜなのかと考えると、
自然志向が極端になると、それ以外のものを毛嫌いする傾向があるからかもしれません。

スキンケアにしても、自然派がいいとなったらそれ一本槍。肌に合うならそれもいいでしょうが、肌質とのマッチングより、自然であることが最優先事項であったりします。自然派アイテムというだけで無条件で信頼し、自分にとっての効果は十分に吟味しないまま漫然と何年も使い続けていたりします。

また、ナチュラル主義者の中には、何も塗らないことが肌にいちばんいいと考える女性もいるようです。思春期真っ盛りの14歳や15歳のならともかく、20歳を超えて、必要最低限の保湿も適当、紫外線ケアすらしない女性は暴挙に過ぎます。

あの頑なさはヒステリーに近いものがあります。あれはダメ、これはダメと決め付ける窮屈さは、自然がもたらす解放感とはむしろ対極です。それが心や体をナチュラルな美しさから遠ざけ、顔つきさえ険しくしてしまうのではないでしょうか。

肌に何かを塗ることで毛穴が詰まるのではないか、肌が汚れるのではないか、そう思いながらスキンケアしても効果は得られないでしょうから、そうした心理的圧迫を感じるなら何もしないほうがましかもしれません。

現代の美容科学は驚くほど進歩している


しかし、現代の美容化学は、驚くほど進歩しています。自然由来の成分のよさも見直され、活用されて作られています。

★味方にすれば、美しい肌や髪のために役立つことは間違いありません。
実際、肌や髪の本来の美しさを最大限に磨くことが、ナチュラル美人の到達点なのですから。

現実の自然派化粧品の信奉者は、いわゆるコスメフリークとは対照的です。コスメフリークたちは、新製品が出ると真っ先に試したがり、効く効かないのとジャッジしなければ気がすみません。流転を重ね、かえって肌に負担をかけていることもあり、弊害がないとはいえません。

一方で自然派マニアは、使ってみて納得してしまうとそこから先の探究心が薄い。「もっといいものはないかな」と考えることはなく、年齢がいって肌質が変わっているのに、相変わらず同じアイテムでケアしていたりします。これもまた、
自然派絶対主義の落とし穴です。

自然派のものが好きならそれを上手に取り入れればいいでしょうが、自然派と銘打っているだけで安心していては、5年後、10年後の違いは歴然です。

★美容だってもはや情報化時代、踊らされることなく、賢く情報を活用した人が勝利者=美人になれる
のです。



TPOをわきまえるナチュラルさを忘れないこと


また、自然体の美しさというものを自分なりにきちんと定義しないまま、ラフであることや気取らないことをよしとするのも美を妨げる一因にもなります。

結婚式のゲストなら、ある程度華やかなメークやおしゃれをすることが、マナーとしてもTPOとしても必要なことです。きちんとしていない装いは、自然体ではなく、単にだらしない人のように思わせてしまいます。せっかくの美貌も、不潔な感じに思われたら台無しです。

逆に、どこに行くにもドレスアップしてくる人というのは奇妙なものです。近くの焼き鳥屋さんに行くにもハイヒールでワンピースというのも不自然です。

★自然体とは、その場にふさわしい振る舞いができることです。

いざというとき、どんな場所にも出られる装いはできるようにしておきたいものです。ラフなスタイルも颯爽とカッコよくキメる方法はいくらでもあります。それこそがむしろ本当の意味でナチュラルな美人ではないでしょうか。


自然派化粧品のベタ塗りで安心しない


自然派化粧品の愛好家というのは、それ自体で悪いことではありませんが、自然派化粧品を使いっぱなしにはせず、周囲からの口コミや、雑誌からの情報収集はきちんとして、たとえブランド化粧品メーカーの製品でも、いいと思ったものは率先して取り入れる柔軟性がほしいものです。

★一番大切なのは、モノに頼るのではなく、健康的なライフスタイルをきちんと守ることです。

睡眠不足はてきめんに肌に出るので、睡眠を意識した生活や、ストレスなどもなるべくためないように、オン・オフの切り替えも大切です。

自然派マニアたちの、「手をかけるよりありのままが美しい」という感覚は十分理解できますが、ありのままをよしとするあまり、こんな所業をしていないでしょうか。きちんとケアするだけでぐんと垢抜ける眉やうぶ毛は、何もしないでぼさぼさのまま。髪は洗いっぱなしで寝てしまう。

濡れたままで髪がこすれるのは、ドライヤーの熱を当てるより髪をきしませてしまいます。あるいは、肌のどこが乾いていて、どこが脂分過剰かも見極めず、自然派クリームならOKと、均一にベタ塗りして、ケアしている気になっていたりします。

これらは、本当にナチュラルな美しさに結びついているとは思えません。もちろん、「こんな雑なケア、するわけないじゃな〜い。眉カットだってするし、肌も髪もいちばん自分に合ったものでいたわっています!」と言うあなたは、きっと正真正銘の自然派美人になっていることでしょう。



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